「行動の遺伝学的解剖」という恐ろしい科学分野を作った、シーモア・ベンザーとその周辺の科学者のルポルタージュです。ショウジョウバエの突然変異をみつけては、その異常を生み出す遺伝子上の位置を特定していく仮定が書かれています。時間感覚に測るタイマー遺伝子、記憶力生み出す遺伝子、そしてsexの行動様式を決定遺伝子などが見つかり、同じモノが人にもあることまでが証明されていきます。僕たちが考え行動している中のどれだけが自由意思なのか、その感覚に不安を起こさせるに十分の成果を読むと恐ろしさが募ります。この先にこそ、冷静な人類の知性があるのでしょう。人間性とは、数学を理解できる知識であり、愛とか感情とかといった動物的なモノではないことを、そしてそうした理性を科学がもたらしてくれることを信じたいと思います。★★★★★
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