難解、長大、読むのが大変だった「ペルディード・ストリート・ステーション」のミエヴィルだったので覚悟して読み始めたのですが、4時間ぐらいで、しかも楽しく読み終えてしまいました。中短編は、やはり長編とは構造が違います、このあたり作家の腕前を感じます。ロンドンの街や、通り、鏡、ショッピングセンター。アーサー・マッケンの館や、トネリコの木の次世代バージョンのように、これらが記号化されて、不気味に現代に蘇ります。ペルディード・ストリート・ステーションでは、ロンドンの街角の描写に唸りましたが、この作品でも記号化の過程を読むのがなんとも楽しめました。力量を感じられる1冊です。★★★★
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