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まだ、読み終わってもないのですが、「雑食動物のジレンマ―ある4つの食事の自然史 マイケル・ポーラン」を読んで、世界の見方が変わりました。植物には、2つの物質が必要で、1つが炭素、そうしてもう1つが窒素。大気組成の80%は、窒素です。大気中では、N2で安定していて、このままでは植物も使えません。そこで、火山の爆発や、雷、根粒菌などで、窒素が分解して硝酸塩などの形になり、ようやく植物が使えるようになります。これが自然な地球の窒素循環の姿ですが、窒素固定法が発見され、石油エネルギーによって大気中の窒素が固定できるようになり、窒素肥料が安く大量に作れるようになって、トウモロコシのとてつもない増産が始まります。人類がいくら農業にいそしんでも、窒素固定により、石油エネルギーを肥料という形に変えない限り、これほどの自然の変形はできません。つまり、石油によって世界の植物編成を変えようとしているわけです。この本、面白いです。
続きを読む前に、窒素循環について勉強しないと。
中世イギリス、ヘンリー二世の治世を舞台にした、CSI、検視官ものミステリーです。キリスト教、イスラム教、ユダヤの3つが平和共存したシチリア王国から、イギリスに3人の捜査官が送り込まれます。魔女と間違われそうな女性の医者、ユダヤ人の捜査官、イスラム教徒しかも肌の浅黒い屈強な奴隷。3人ともがイギリスではまともな人民とはみなされません。この3人が、十字軍で一旗あげた騎士がいるようなイングランドへ。しかも、ユダヤ人の子供殺しの疑いを晴らすため。ここまで、大変な設定を作れば面白くないはずがありません。最後まで、きちんとミステリーしてくれます。しかも、続編も出るようで、女性検視官ものとして、今後も楽しめそうです。★★★★