アーサー・C・クラーク賞/英国幻想文学賞受賞作ですが、これをSFと呼んでいいのか。80%ファンタジーしてます。600ページ、2段組み、フォントも近年に見ないほど小さいという、大変なボリュームですが、登場人物も、ストーリーもかなり単純で、おもったより読みやすいです。解説や、扉の紹介文を読めば、ほぼ内容そのままといっていいと思います。それでも、ここまで長い小説になったのは、ニュー・クロブゾンという街を、徹底的に書き込んでいるせいです。小説の舞台に街の一画が登場すると、数ページにわたって、その界隈の解説が続きます。これを、楽しく読めるかどうか、この描写こそが、この小説のもう一つの顔になっています。ただ、ごみごみ、体液、生物の糞などに満載された街の描写は気持ちのいいものではなく、科学?と称される描写も適当なものなので、SFや、サイバーパンクとして読むのは辛いと思います。★★★
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