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「長いお別れ」が、「ロング・グッドバイ」。「さらば愛しき女よ」が、「さよなら、愛しい人」。村上春樹訳のレイモンド・チャンドラーの新訳タイトルです。なぜか、ちょっと恥ずかしと思っていたのですが、昨日飲み屋話で、他にも同じように感じてた人が、複数人いたことを発見。特に理由はないのですが、やはり恥ずかしいのでした。
まずこの本は、ノンフィクションの歴史本です。ロレンツォ・デ・メディチが、同じフィレンツェの名門パッツィ家に襲われた暗殺未遂事件の詳細な顛末が書かれています。しかし、あまり馴染みのない事件なので、登場人物が把握しきれません。人名の多さ、後はわかってね的な書き方で、読みとるのに苦労します。原文も難解なのでしょうが、翻訳も「した。」「した。」といった、文末が同じ結びが何度も重なったり、複数の文章を何度も原文ママに、丸で終了しながら、次の文に修飾が続き、読みにくさを増していきます。読みやすいところもあるのですが、急に読みにくくなったり、1人の人が訳したとは思えないほど、文章が変わっていきます。もう少し、翻訳に工夫が欲しかったと思います。これなら、最初から論文として読んだ方が読みやすいのでは。★★
上巻から少したちましたが、後半は、イタリア対トルコの戦闘が、スペイン、フランス、ヴェネチア対トルコに変化していきます。そして、レパントの海戦により、トルコを破り、海賊も国家公認から、私企業へと変貌し。あまつさへ、地中海の意味が大きく低下して、大西洋が世界の経済を動かすようになるまでが描かれています。海から見た歴史ですね。しかし、ほとんどの戦闘で死ぬのは疫病が1番多く、そのことに驚きます。日本では、鎖国解禁後、さほど大きな疫病の流行がなかったことが、今更ながら不思議に思えます。
約半分の200ページ目に「良識とは、受け身に立たされた側が口にする言葉であり、行動の主導権をにぎった側は、常に非良識に行動するものである」と配置されているあたり、明確な日本への助言に感じられます。これが最終巻としたら、ちょっと淋しい終わり方です。★★★
Chumbyで使えていたpandora radioがとうとう使えなくなりました。エリアチェックしているようです。早く、日本に来てほしいです。
先日、凧揚げを人生で初めてやってみたのですが、うまく揚げられませんでした。そこで、凧揚げのお勉強に読んでみましたが、バイオカイトは、実は凧とは違って、どちらかというとグライダーのようなものだということがわかりました。普通の凧は、風を受ける面の反対側では、空気の流れがなく、失速状態です。しかし、バイオカイトでは、層流として流れていて、揚力が発生しています。中身は、数式がいっぱいで、基本的な揚力の発生に加え、尾翼や、翼のアスペクト比などまで踏み込んで、何故揚がるかを越えて、うまく揚げるために、どう考え、計算すればいいのかまで踏み込んでいます。凄く勉強になりました。バイオカイト作りたくなります。★★★