マネ・モネにルノアール、美術館が展示会をやれば、かならず行列になる、その印象派の魅力とは? ではなく、印象派こそ、世界で初めて、巨額のマネーで取引が始まったオークションや、現代の画商を作った美術作品であり、その成立過程を、かなりシビアに書き込んでいます。著者は、元々サザビーズ&クリスティーズの社員であり、いくらでもエピソードを書き込んで面白くできたと思われますが、ひたすら筆を抑えて、歴史叙述に徹してます。読んで面白くはないのですが、勉強になること山のよう。頭のいい人の本は違います。アメリカで、ヘミングウエイ好きにも、ロストジェネレーションの成立過程を再考察するにも役立つ資料です。こうした本を、ハリウッド的に出さない力量にひたすら、感謝と驚きを。こういう本があるから、乱読はやめられません。★★★★
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