映画化話題の中、創元社のサイトで、この本をみつけてびっくりしました。大瀧啓裕といえば、ぼくの中では、フィリップ・K・ディック「ヴァリス3部作」の訳者であり、神秘主義の大家です。他にも、ラグクラフト、「悪魔の系譜」 ジェフリー・B. ラッセルや、「天使の世界」 マルコム ゴドウィンなどの神秘主義の古典的名著の訳者です。それが、テレビアニメの解説本を書くとは。早速、手に入れて読み始めると、いきなり、セフィーロートーの流出から解説が始まります。これには、笑いました。解説というより、エヴァンゲリオンを通じて、大瀧 啓裕世界が想像され、その範疇の中で、強引にアニメの解釈が行われているのがわかったからです。
ぼくは、エヴァンゲリオンを見てないので、とりあえず、本の進行に合わせて、借りてきたDVDを見ながら読み進めました。映画版は、まだ見てないんですが、アニメを見ることさへ、この本を読むには必要ありません。フィリップ・K・ディックが、神秘体験を基にヴァリスを書いたように、エヴァンゲリオンを見るという体験を基に、翻訳家らしく、解説本を書いたといえるでしょう。アニメを楽しむ以上の、楽しみがここにあります。エヴァンゲリオン好きには申し訳ないですが、大瀧 啓裕がこういった本を書いたことを祝福し、読めることを幸せに思います。★★★★★
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