世の中には恐ろしい小説というものがあって、そういった小説を書いた作家の小説をぼくは読まないようにしています。野坂昭如の「火垂るの墓」を読んで、野坂昭如を読むのをやめてしまったとか、そういったことです。この本も、そういった1冊になりました。確かに、すぐれた小説でしょうが、悲惨すぎます。1人称で書かれていることで、これからもっと恐ろしくなるような気がします。人間は、自分自身をも欺くことがあり、1人称をあえて選んだのは、そういった展開が待っているのではないでしょうか。霊が見えるのではなく、主人公はただただ気が狂っているだけかも知れないような気がします。シリーズのようですが、とにかくディーン・クーンツの本を読むのはやめることにしました。
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