上巻から少したちましたが、後半は、イタリア対トルコの戦闘が、スペイン、フランス、ヴェネチア対トルコに変化していきます。そして、レパントの海戦により、トルコを破り、海賊も国家公認から、私企業へと変貌し。あまつさへ、地中海の意味が大きく低下して、大西洋が世界の経済を動かすようになるまでが描かれています。海から見た歴史ですね。しかし、ほとんどの戦闘で死ぬのは疫病が1番多く、そのことに驚きます。日本では、鎖国解禁後、さほど大きな疫病の流行がなかったことが、今更ながら不思議に思えます。
約半分の200ページ目に「良識とは、受け身に立たされた側が口にする言葉であり、行動の主導権をにぎった側は、常に非良識に行動するものである」と配置されているあたり、明確な日本への助言に感じられます。これが最終巻としたら、ちょっと淋しい終わり方です。★★★
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