タイトルだけ読むと、ワンダフルライフの継承本のようですが、実際は、バージェス頁岩の生物が、既存のどの門に入るかを分岐学的に考察した内容になっています。奇妙に見えるが決して新しい門が必要ではないことを、細かな形態を追うことで解説してあります。問題は、図や写真が少なく、細部にわたる形態の描写を延々と書かれてもイメージがわきません。他の本で形態を知っていなければ、まず読むことができないでしょう。文章も読みにくく、タイムマシンを使ってカンブリア紀の解説を行うにしては、環境情報が入らず、化石的形態の解説が続くなど、アンバランスな描写ばかりで内容の濃い割に、描き方の表現の下手さが目立つ本になってしまっています。★★
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