英文学を読むには聖書の知識が必須で、そのための本と、前書きにあったので読んでみましたが、とても中途半端。講義用のシラバスをそのまま本にしたような内容で、元の聖書を読んだ後に、読まないと意味が汲み取れない。注釈として詳しいかというと、そうでもない。★
太平洋戦争を題材にした歴史伝奇小説です。主人公は、ハワイで侍に育てられた、日本軍情報将校。対するは、古来から続く日本の秘密宗教団体と、この団体に属する、主人公の兄。これに、二人の愛する、伯爵令嬢。ハワイで、兄妹同然に育った、白人情報将校などが絡み、真珠湾攻撃、ミッドウェー、広島への原爆投下などが、歴史小説なみの精度で語られていきます。ポール・ウィルスンらしいところは、この宗教団体の持つ、秘術だけで、これがなくても歴史小説としてなりたつほどの出来栄え。しかし、この宗教団体が凄くて、入団するには、手や足、眼などを取り去り不具者になるという条件付き。グロテスクで恐ろしい集団です。この集団により、日本が戦争へとなだれ込むというストリーになってますが、現実に、何故日本が太平洋戦争を引き起こしたのかの必然性が、これほどグロテスクな考えを導入しないと理解出来ないほどです。★★★★
スバルバード国際種保存施設(Svalbard international seed vault)の入口写真です。。ノルウェー領のスバルバード島、北極から1000Kmにある、植物のジーンバンク。この本、この施設を作った男、ベント・スコウマンの伝記の形をとって、植物の遺伝子多様性を守るのがどういう矛盾を含んでいるのか、とても丁寧に書いてあります。小麦、大麦、トウモロコシ、大豆、稲。これらの多様性を守るには、第3諸国の協力がかかせないが、それはだれのものなのか。とにかく、勉強になります。★★★★★