@masatofujii

原潜迎撃 ジョー バフ

戦術核が当たり前のようにバンバン使われます。戦争の形も変わって、ちょっと恐ろしいけどよくできた潜水艦モノです。★★★★

銀河ヒッチハイク・ガイド 宇宙の果てのレストラン ダグラス・アダムス

映画化でとりあえず、読み直し。４２，４２，４２．

農夫ジャイルズの冒険―トールキン小品集 J.R.R. トールキン

短編集。表題作の他に、「星をのんだかじや」「ニグルの木の葉」を収録。どれも、人生の終わりを知った人間ばかりが描かれていて、非常にキリスト教的。悲しい物語ばかりです。★★★

「出雲神話」の真実 封印された日本古代史を解く 関 裕二

古代出雲の真実を探る話しですが、最後は大国主と、聖徳太子が同人物とまで話しが急展開してしまい、毎回、ちょっとと最後にはついて行けなくなるテンはそのまま。★★

失踪日記 吾妻 ひでお

あちらこちらに話題となってますが、古くからの吾妻 ひでおファンには、ある程度予見できた作品かもしれません。自虐的な、しでおのゆくつき先というか、まだまだ、行き着かないというか、どこまでいってしまうんでしょう。それが、また、笑えるというのは、漫画というメディアのすごさでしょうか。失踪した、アル中主人公と、作者がそのうち作品の中で闘い始めるのでしょうか。足は、大きなままなのでしょうか。★★★★

弓削是雄全集 鬼 高橋 克彦

陰陽師、弓削是雄が次々と鬼と闘うという、平安死闘変といった感じの本。しかし、陰陽師が鬼と闘うシーンよりも、ただの人間や、他の陰陽師と闘うシーンの方が遙かに面白くて、困ってしまいます。読み始めにも日記に書きましたが、本の装丁も凄くて、青、赤、白、黒、黄の５色しおりにはうなされます。★★★

天皇家の“ふるさと”日向をゆく 梅原 猛

天皇家の東征の元となった日向の国を旅しての雑感。日向のものはあまりないので、貴重です。早く、新説を出して欲しいモノです。★★★

妖星伝を思い出す

高橋克彦の新作「弓削是雄全集　鬼」。本のデザインが、凄いです。真っ赤な表紙色違い５本のしおり。紙の背色が黄色に染めてあるという。昔、半村良の「妖星伝」もこんな紙の色でした。

オイスター・ボーイの憂鬱な死 ティム・バートン

ナイトメアの主人公たちそっくりの怪人物や子供たちが、屈折し、悩みを振りまきます。不気味で不思議な登場人物が登場する絵本です。★★★

仔犬のローヴァーの冒険 J.R.R. トールキン

子供のために書かれたもので、結局生前は出版されなかったもので、完成度もやはりという作品。トールキンでなければ、わざわざ、日本で出されるほどのものでもないという気が。★

チンギス・ハーンの一族 陳 舜臣

チンギス・ハーンの軍隊の数が３千とかの人数なのには驚きました。さすがに、元になると１０万とかになりますが、日本も源平の頃には、６万ぐらいの人数は普通ですから、ちょっと驚きです。★★★

20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 グレッグ イーガン (著), ダン シモンズ (著), 中村 融 (編集), 山岸 真 (編集)

90年代海外SFのアンソロジー。でも、どれも小振りでいまひとつ。★★★

失われた未来 岡田 斗司夫

技術が支える輝ける未来社会を表すオブジェの数々。６０年代生まれには懐かしいです。★★

「水」戦争の世紀 モード バーロウ,トニー クラーク

「ウォーター―世界水戦争」が啓発の本だったとすれば、この本はより戦闘的に多国籍企業や水道事業を企業として請け負う現実にどう闘って行けばいいのかを書いた、大変な本です。★★★★

浮世絵探検 高橋 克彦

横尾忠則や、荒俣宏など６人との対談集です。浮世絵の新しい見方を啓発する元気が出る本です。北斎はなぜ、引っ越ししたのかなど、胸の空くお話しが続きます。久々に★★★★★

鏡像の敵 神林 長平

初期短編集です。後の小説に出てくるアイデアが満載。でも、神林ワールドっぽい現実と小説が融合してしまうような情報の混合はまだありません。★★

もののけづくし 別役 実

作者にかかると、あらゆるモノが人の本性を描く測定器に変身してしまう。今回は、妖怪。妖怪も人間との付き合いで苦労しているんだなと、実感できます。あいかわらずで、学生の時読んだものとスタンスがまるで変わっていないのに驚きます。★★★★

謎の出雲・伽耶王朝―天皇家朝鮮渡来の妄説を撃つ!! 関 裕二

ここまで行くとトホホなのでは。★

葉隠の名将鍋島直茂 童門 冬二

会社経営はこうあるべしという、時代劇を無理矢理社会勉強にしてしまう本。こういうのは、苦手です。★

銭の城 白石 一郎

他にさいころ武士道を収録しています。戦国時代、浮浪者の頭から、博多の大商人になる右近はかっこいいです。船で海外貿易を行い莫大な利益を得る人生となると、普通ではないんだなぁと。★★★

長崎ぎやまん波止場―若杉清吉捕物控 白石一郎

長崎を舞台に、捕物帖です。しかも、人情物。長崎ならではの風習や、風俗が織り込まれて、できは一級品です。★★★

呪いと祟りの日本古代史―常識を覆す驚くべき「裏」の歴史 関裕二

天皇は祟（たた）るので怖いから、崇（あが）めておこうという結論に達してしまいました。うーん。★★

サムライの海 白石 一郎

西洋船に捕鯨砲を使い捕鯨を始めた高島蘭次郎が主人公。長崎の海軍伝習所や、幕末の志士もでてきて当時の雰囲気が身近に感じられます。同様のテーマを扱った「海の夜明け」同様に傑作です。★★★★

日本書紀塗り替えられた古代史の謎 関裕二

他の著書で紹介された中から、日本書紀に関する部分だけを再度収録した内容らしい。相変わらず、話しが次々と跳んでいき、面白いが実証にかける気がします。★★

継体東国王朝の正体-伽耶・東北王朝復活の謎 関 裕二

東北の蝦夷を含んだ古代３王朝による天皇家の存続に、蘇我氏の秘密と話しは跳びまくります。確かに面白いのですが、歴史書としては走りすぎ。でも、面白いので他の著書も続々読んでみるつもりです。★★

曹操残夢 -魏の曹一族 陳 舜臣

時代が時代だけに、魏から晋への禅譲はすさまじいことになっていたんだと思いこんでいました。仲達が意外にいい人に描かれていたり、日本人が紛れ込んでいたり、とても楽しめます。しかし、この時代に日本では銅鏡とかをもらって喜んでいたんだなと思うと複雑です。お墓にまで入れたんだから、よほどもらってうれしかったに違いありません。★★★★

図解]誰も教えてくれなかった「古代史」の真実 ついに解き明かされた「歴史の闇」 関 裕二

古代大和朝廷成立期と纏向遺跡の関係、蘇我入鹿の怨霊、聖武天皇と天武系天皇と面白いところをまとめてあります。考証はほとんどなく、アイデアの羅列ですが、まあ、これからということで。★★★

宇宙船レッド・ドワーフ号〈1〉無限の宇宙そんなに急いでどこへ行く 〈2〉素晴らしきかな人生 グラント・ネイラー

NHKで放映されたイギリス喜劇のノベライズ。作者も同じで、銀河ヒッチハイクと同じだなと期待しましたが、さすがにあれほどの名作にはなっていませんでした。しかし、１巻の後書きが面白い。主人公以外人類は冒頭で全滅、本作では宇宙に他の生物はいない。銀河～では、地球人より優秀な宇宙人ばかり、究極の前提が喜劇を引き立てるとは、その通りと唸ってしまいました。★★★

御隠居忍法 唐船番 高橋 義夫

隠居した隠密が大活躍。というわけで、仕込み杖に、鏃の手裏剣で単独悪を打つ。相手は、芥子の密造に抜け荷の海賊。現代的な香港映画のような時代劇です。テンポも速く、楽しめました。★★

天切り松闇がたり(第4巻) 浅田 次郎

４巻目になってさすがに鼻についてきたというか、やくざモノの限界でしょうか。そんなに立派なら、ちゃんと堅気になりなさいとつっこみたくなるのは、物語のトーンが落ちているから。１巻は最高だったのに。★★

夏姫春秋 宮城谷 昌光

春秋時代前半、物語は楚、陳、鄭と跳びまわりますが、それを翻弄される女性夏姫が結びつけます。美女が神がかっているのも、宮城谷作品らしく、よく練れた作品です。★★★★

十番斬り―剣客商売 池波 正太郎

今回は、小兵衛が斬って斬って斬りまくります。大活躍。片っ端から斬ってしまって、結末は皆殺し。ちょっと酷いのではないでしょうか。新幹線で読み流すには最適。★★

天保悪党伝 藤沢 周平

河内山宗俊に、片岡直次郎とお馴染みの天保六花撰、藤沢周平版。しかし、悪党を描くのがこんなに下手だとは。藤沢小説は、人間を描いているのではなく、人間を通して何かを表現しているのだと痛感。人間の魅力のみでは小説にならないのでは。★

伝説なき地 船戸 与一

何も作れない産み出さないはずだった、伝説の地に難民が神のお告げを聞いた女性と住み着き、皆殺しにしようとする地主と日本人が対決するという、ストーリーからは何がなんだかわからない小説。実際、完成度は低いのですが、映像用に書かれたドラマ脚本のように、最後が地震で全てが消えて亡くなるという終わり方には唖然。何故か、厚み以外にも読み応えがあります。★★

悪党の裔 北方 謙三

「楠木正成」と同じ時代、同じ設定を赤松円心の眼を通じて書いてあります。楠木正成より、その分複雑になって、登場人物にも複雑さが加わってます。いいできなのではないでしょうか。★★★

よしきた、ジーヴス P.G.ウッドハウス

今回は長編で最後の最後までジーヴスはでてきません。ベーティー以下ろくでなし、へま軍団のへまを心ゆくまで堪能できます。しかし、このダメ具合は、吉本新喜劇そっくりです。★★★★

楠木正成 北方 謙三

藤原純友を描いた、「絶海にあらず」もだったのですが、登場人物が読みやすい、ワンパターン。しかも、悪党は悪党の闘いとか前半書かれているのに、後半は悪党らしからぬ武士の闘い。信念を持って優秀なヤツと、どうでもいい馬鹿者の描き方の限界か。★

風の陣 大望篇 天命篇 高橋克彦

立志編のデキの良さが、まるでなくなって、登場人物はまるで陰謀家。今回は、恵美押勝と銅鏡。こんな事で、蝦夷の幸せはといった感じです。坂上田村麻呂らしい子供も生まれて、今後に期待するしかないのですが、このままでは、秀吉か、牡鹿嶋足といわれる出世のうまい人物としか思えない主人公がどんどん醜くなってます。★

絶海にあらず 北方 謙三

藤原純友が主人公。海の男のといった、白石一郎似の作品だが、しかし、登場人物がステレオタイプで、のめり込むのは無理かも。痛快時代劇ぐらいか。★★

宇宙兵ブルース ハリイ・ハリスン

再読。キャッチ２２だなあと、改めて思う。さすがに古くなったなぁという気もします。★★

晏子 宮城谷 昌光

歴史小説の悪いところは、終わりまで、感動が続かないことですが、晏子は終わり方までばっちり。登場人物も全員本物ということで、歴史小説の王道です。★★★★

夜のオデッセイア 船戸 与一

ロードムービーです。それだけでも、面白くなるのに登場人物の魅力的なこと。ストーリーがだめだめや、設定がだめなこともカバーして、楽しく仕上がってます。やっぱりアメリカ大陸は、ロードムービーですね。★★★

必殺剣二胴 鳥羽 亮

居合いVs守りがなく八相から胴を両断する秘剣二胴。１拍子で斬り合う必殺剣というチャンバラです。★★

かくも短き眠り 船戸与一

今回は、チャウチェスク政権が倒れた後のルーマニア。革命時の疑問が未だ解けていない、ルーマニアですが、主人公はその時の工作員の１人だったらしい。法律事務所の調査員として、ルーマニアに戻ってきた主人公は次々と事件に巻き込まれ。今回は、虐げられた人たちを守る強靱な男が登場しないままで、最後が不完全燃焼。ちょっと残念。★★★

闇の特殊戦闘員―テロと戦うプロフェッショナル ジム ショート

本物のSASということで、凄い人なのでしょうが、内容が絞り込まれず、たんなる回想記で、話しがあっちこっちに跳んでだからどうなのといった内容。残念。★

陰陽師 首 夢枕 獏 村上 豊 (イラスト)

小説・陰陽師というより、絵本用に書かれたものというのが、よく分かります。イラストも楽しくて、夏の寝苦しい夜に。★★

上意討ち始末―子連れ侍平十郎 鳥羽 亮

続編の「江戸の風花 子連れ侍平十郎」はずいぶん昔に読んでいて、なるほどと思い出しました。チャンバラ、よくできたチャンバラです。★★

アグレッサー・シックス ウィル・マッカーシー

ハヤカワのいうミニタリーＳＦなのですが、登場人物描写はボロボロ。ストーリーもボロボロ。戦闘に新しいところもなしと、これだけボロボロなのも珍しいです。★

平家物語の怪―能で読み解く源平盛衰記 井沢 元彦

名古屋能楽堂ができたときの記念公演をまとめたもの。こういう見方をしたことはなかったです。能の入門書として。★★

ヒューマン -人類- ロバート・J・ソウヤー

全ては完結編を待つしかないですね。★も３巻を読んで。